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お薬の処方

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1998年に、人間の製薬会の研究所から臨床獣医師に転身した私の眼に、衝撃的な獣医療の世界が飛び込んできました。それは、非科学的なオカルト治療法や医療ではありえないサプリメントの氾濫です・・今も、20年前と変わらず・・・・・は~。

獣医師会、学術会議も警告するオカルト療法が大氾濫!

階級社会である西欧の貧しい階層で発達したオカルト療法が、なぜか先進国で、自然療法ぽっく一部で流行っています。おせっかいで、意外と高い学歴の女性で、自分がネットで発見した自然療法だ~、友人に教えなきゃ!と喧伝したい人がはまります。

怪しいサプリは処方しません!

獣医療では、大学人でさえ、効果の確認されていないサプリを処方して儲けている実態があります。とても驚くべきことです。例えば、人では、変形性関節炎にはグルコサミンは効きませんし、コンドロイチン(飲薬タイプ)は少し効果があるか、或いは全くないか、議論があるところです。しかし、獣医師は、どういうわけだか、非常に効果的だと喧伝して、販売している実態があります。処方薬ではなく、効果が確認されていないサプリで儲けるなんて、恥ですね。

ヒトでは考えられない薬が氾濫しています

① 何でもかんでも長期作用型
飲むと1ヶ月効果が持続する薬の登場には驚きました。人でも、薬を飲み忘れることが多い、統合失調症の患者につかう長期作用型の薬剤は存在しますが、それは、レアなケースです。1ヶ月効果が持続するということは、化学物質を1ヶ月体に残留させるという事です。もし、アレルギー反応がでたらどうするのでしょうか?他の薬との飲み合わせは、どうなるのでしょうか?こういった薬剤は、安易に取り入れず、慎重な採用を心がけています。なお、ノミ・ダニ駆除薬で有名なフロントラインは、皮膚に塗布しても体には入りませんので、安全です

② 安易な新薬の開発
安易な抗体薬の登場には衝撃を受けました。アトピーの新薬であるサイトポイントは、ある種のインターロイキンの抗体です。人の医療ではインターロイキンの受容体の抗体は存在しますが、この薬のように、agonist側の抗体を薬として採用するには非常に慎重です。それは未だ発見されていない(agonistに対する)受容体が存在するかもしれないからです。獣医療の薬の開発は、本当に安易です。

③ 人体薬の墓場
【新薬】という触れ込みで、使用されなくなった人体薬が押し寄せてくる業界です。動物薬の業界は、まるで人体薬の墓場ですね。例えば、心臓の薬であるACE阻害薬は、人では副作用(咳)が多くでて、あまり使用されなくなりました。幸い、ACE阻害剤は、動物では咳などの副作用はなく良い薬となりましたが、常に、先進的な人の治療法を参考に、薬剤を選択していきます。

笑ってしまう再生医療

語るのも馬鹿馬鹿しい分野です。高級ジャーナルNatureで散々批判されている細胞注入療法が、獣医療では、まるで先端の再生医療の様に扱われています。情けない限りです。この方法は、山中教授のiPSや、理研のES細胞の再生医療とは異なる幼稚な療法です。

さらに笑う免疫療法

作成中

効果があるのと、寿命が延びるのは違う

人では、以前、不整脈の薬を飲ませ続けた場合、逆に死亡率が上がったという有名な研究がありました(Cast study)。一時的な作用があっても、長期的な寿命に対する効果(生存率)は、全く次元が違うという事です。国内で新薬が出た際は、自分で、あるいは自分の子供に飲ませられるか・・・という基準で海外論文を調査しての処方を心がけています。

エビデンスとは何か?

エビデンスには階層性があります。信頼度が高いほうから①で、低い方が⑥です。
① 学会の治療ガイドライン
② 大規模試験(二重盲検)
③ 高級学術誌の英語論文
④ 通常の英語論文
⑤ 商業雑誌の論文
⑥ 学会発表のデータ