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心臓病研究

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当院は、心臓病の治療に加え、
心臓病の研究を、医学部研究者、
企業研究者と共同で実施しています。

11誘導心電図検査
ドーベルマンDCMのfirst screeningです。約5分の計測でVCPの発生を調べます。

・ 獣医師・飼主・ブリーダー・研究者の皆様

現在の研究のメインテーマは、ARVC(不整脈源性右室心筋症)やDCM(拡張型心筋症)などの心臓突然死、不整脈ですが、心臓病に関わることであれば、全て研究の範疇です。突然死の多いボクサー、ブルドッグやドーベルマンは、基本的に初診料以外は検査を無料で実施しています。また、犬の全ゲノム解析との比較で、家族性の心疾患のある系統を探しています。ご興味のある方は、メールにてお問い合わせください(電話不可)。

・ 共同研究者

現在、下記の研究者、専門家の指導のもと、臨床研究、各種調査を実施しています

  • 石川泰輔 DVM, PhD
    国立循環器病研究センター 創薬オミックス解析センター ゲノム系解析室 室長
  • 岩永孝治 DVM, PhD
    東京動物心臓病センター

・ 検査項目

国立医学研究所の研究者と共同で、以下の項目を無料で実施しています。ホルター、11誘導電極、簡易心電図測定器は貸し出しています。

  • 遺伝子解析(DNA検査)
  • 11誘導心電図検査
  • ホルター心電図解析(2channel)
  • LP計測(ホルター心電図3channel)
  • 心臓エコー(2Dトラッキング、3D、VFM)
  • 簡易心電図検査機の調査(自宅測定の検討)
  • 心臓組織RNA検査
  • 心臓病理検査
  • ARVC遺伝子(STRN)
  • DCM遺伝子(PDK4、TTN)

・ 研究

  • ボクサー心筋症(ARVC)
  • ブルドッグの突然死
  • ドーベルマンの不整脈とDCM
  • 犬の不整脈
  • 猫のARVC
  • 猫の心筋症
  • 猫の失神
  • 家族性の心疾患と遺伝子解析
  • 簡易機器による自宅での心電図測定の検討

・ 論文

・ 学会発表

 

※下記に、以下に、現在注力しているボクサー心筋症(不整脈源性右室心筋症)とドーベルマン拡張型心筋症の概要を掲載しています。

ボクサー心筋症(不整脈源性右室心筋症、ARVC)

ボクサー心筋症(不整脈源性右室心筋症、ARVC)

現在、80頭を解析し、下記の研究、論文、学会発表を行っています。

・ 古典的なBCM(ボクサー心筋症)の考え方

以前より、ボクサー犬では、失神や突然死などの特徴的な疾患形態をとる心筋症が発症することが知られていました。1983年にDr. Harpsterはそれをボクサー心筋症(Boxer cardiomyopathy、 BCM)と呼び、重症度に応じて、以下の3つのカテゴリーに分類した。

1  : 軽度の心室性不整脈。
2  : 重度の心室性不整脈で、運動不耐症や失神。
3  : 重度の心筋不全、心不全状態で、しばしば徐脈性心室性不整脈が認められる。

・ 最近のBCMの考え方

2000年代に入り、Dr.Meursらは、臨床形態や病理組織学的観点から、BCMがヒトの不整脈源性右室心筋症(ARVC)に酷似していることを報告しました。ARVCは、1995年のWHO/ISFC合同委員会において、ヒトの心筋症分類に新たに加わったもので、右室の心筋細胞が、脂肪や線維脂肪に置換されることを特徴とする心筋症です。現在のところ、BCMは、ARVCであると考えられています。なおBCMとカルニチン不足との関連性が報告されたことがあります。ある系統のボクサー犬ではその可能性もありますが、ほとんどのボクサー犬では関係ありません。BCM(ARVC)は、次項目に示したように、ホルター心電図検査や胸部誘導心電図検査で評価します。

・ ホルター心電図検査による診断基準

Dr. Meursが提唱したBCM(ARVC)の診断基準
正常(normal) 単発性VPCの発生が、24時間で0〜20
再検査(indeterminate) VPCの発生が、24時間で20〜100、6〜12ヵ月後に再検査。
疑い(suspicious) 単発性VPCの発生が、24時間で100〜300。繁殖を避け検査を繰り返す。
罹患を示唆する(likely affected) VPCの発生が、24時間で100〜300、連発性VPCや心室頻拍が認められる。あるいは、単発性VPCの発生が 24時間で300〜1000
罹患(affected) VPCの発生が、24時間で1000以上

・ ホルター心電図検査によるBCM(ARVC)の不整脈

ホルター心電図検査によるBCM(ARVC)の不整脈

・ 胸部誘導心電図検査

胸部誘導心電図で右室由来のVPCを確認します。

・ 遺伝子検査

遺伝子検査
STRN遺伝子(Homo、Hetero、WT)の検査。

ドーベルマンの拡張型心筋症

ドーベルマンの拡張型心筋症

ドーベルマンの拡張型心筋症(DCM)は、以下に示したような、不整脈(1日300発以上のVPCの発生)や、心臓エコー検査(EDVもしくはESVの増加)などで検査する。DCMによる心不全の症状が発生する前に、(潜在性、無症候性、オカルトの状態で)診断し、対処するのが必須。

・11誘導心電図検査

ドーベルマンの拡張型心筋症
5分間計測しVPCが出現するか観察します。

・遺伝子検査(TTN、PDK4)

ドーベルマンの拡張型心筋症
PDK4遺伝子欠失
ドーベルマンの拡張型心筋症
TTN遺伝子置換

・心臓マーカー

NT-pro BNP、ANP、Troponin Iの測定。

・自宅での心電図検査

院内心電図が無理な方には心電計を貸し出します。動画のボクサーと同様の不整脈(VPC)が出現するか、自宅にて観察頂きます。

・心臓エコー検査

心臓エコー検査

●ドーベルマンDCMの診断基準(感度100%、特異度99%)
・LVEDV-Index > 95 ml/m2
または
・LVESV-Index > 55 ml/m2

・EPSS > 6.5 mm(補助的な指標)
・SI < 1.65(大型犬の球形度)

・AO PEP/ET > 0.4

2017年の欧州獣医心臓病学会のガイドラインを参照(当院で翻訳しています。必要な方は請求してください)

・特殊な心臓エコー検査

特殊な心臓エコー検査

VFMによる検査

・甲状腺機能検査

T4、TSHの測定。ドーベルマンは甲状腺機能低下症が多く、DCMに併発するとリスクが高まる。

・ホルター心電図検査

ドーベルマンの拡張型心筋症
ドーベルマンのDCMは、1日300発以上のVPCの発生で診断可能。院内心電図検査でVPCが多発する場合は必要ありませんが、現在、24時間ホルター心電図検査が最も有用なDCMの検査。当院では4台のホルター心電計を無料で貸し出しています。

・自宅での心電図測定

動画は、飼い主さんん自身による、自宅での心電図測定。不整脈の発生を指標にした診断は、ホルター心電図検査が最も有用ですが、簡易的な自宅での計測も時に効果的です。動画は、1誘導のものですが、当院では、6誘導ものもを含め、多種の機器を貸し出しています。

ドーベルマンの拡張型心筋症
上記の動画の子で、実際に自宅で確認されたVPC(赤矢印)。

・検体のお願い

心臓、肝臓(ドーベルには銅関連性肝炎が多い)の検体をお願いしています。死後に当院に連絡後、当院へご遺体を運ぶか、主治医にご相談ください。

・ドーベルマン関係の最新論文の翻訳

ドーベルマン関係の論文を翻訳して配布しています。ご興味のある方は、メールをください。

① ドーベルマン拡張型腺筋症の評価のガイドライン(ヨーロッパ、2017年)
② 銅関連性肝炎の総説
③ 甲状腺機能低下症と拡張型心筋症(アブストラクト)
④ フォンビルブラント病の治療法(アブストラクト)

当院からの研究協力のお願い

・ ホルター心電図検査(2channel)

機器を無料で貸し出しています。1〜3日程度、機器をつけて検査を行います。一般の方でも自宅で装着できますが、主治医に貸し出すことも可能です。

・ LP計測(3channel)

上記の通常解析に加え、特殊なホルター心電図計で、LP解析が可能です。

・ 血液の提供(遺伝子検査)

遺伝子解析を無料で行っています。主治医に3ml採血してもらい、処理後、当院に郵送してもらいます。

・ 高度心電図検査

フクダMEの解析心電計D700、D800をお持ちの病院へは、当院のオプションリードを貸し出し、11誘導心電図検査を実施しています。

・ 心臓エコー検査

2019年に、国内では医学部も含め数台しかない最上位機種のエコー HITACHI LISENDO880LEを導入しました。通常の心臓エコー検査に加え、2Dトラッキング、VFMなど最新技術で研究をしています。

・ 献体のお願い

死亡したボクサー、ドーベルマンの心臓の提供をお願いしております。近隣の方は、ご遺体を当院にお持ちいただければ死後解剖致します。突然死の原因を確認したい方も、無料で心臓の検査を実施致します。主治医を介して、心臓を献体いただいても可能です。

・ 自宅での簡易不整脈測定の調査

自宅で、飼い主、ブリーダー自身に不整脈の発生を簡易スクリーニングしてもらいます。小型の機械を胸に押しつけて、スマホで測定します。

上の動画は、実際のボクサーに出る不整脈です。この不整脈を自宅で発見してもらいます。この動画では確認の為に、病院の心電計を付けていますが、実際には、小型の機械と、iphoneだけで測定します。測定時間は、30秒程度を数回でOKです。

タブレットで(を貸し出して)、自宅で上記のiphoneECGよりも高度な6leadの心電図を計測可能です。動画では病院の心電計もつけていますが、確認のための操作で、実際には、動画の初めに示した白い小さな機器とタブレットのみです。

他犬種のついて

ブルドッグ、ドーベルマンや猫 等でも研究
ホルター心電図計の装着

上記の研究を、突然死、不整脈の多いブルドッグでも行っています。また失神を繰り返す犬猫の症例も研究対象なので、遠慮なくお問い合わせください。研究対象の場合は、初診料以外、無料で検査可能です。